グリーンスキャン

About Green scan

グリーンスキャンとは

グリーンスキャンは、Tri-Vision(トライビジョン)のマルチスペクトル観測を活用した調査メニューであり、ドローンに搭載したマルチスペクトルカメラにより、樹木や植生の状態差を面的に把握する観測手法です。

可視光だけでなく、近赤外線(NIR:Near Infrared)を含む複数波長の反射特性を取得することで、植物の活性度の違いを数値化します。
これにより、園内全体の植生状態を俯瞰的に可視化し、状態確認が必要な箇所を効率的に抽出することが可能になります。

PRINCIPLE

植物の葉は、波長によって反射特性が異なります。

健全な葉の反射特性

  • 可視光の赤色域は葉緑素により吸収される
  • 近赤外線は葉の内部構造によって強く反射される
  • 光合成が活発で葉の内部構造が健全な場合、近赤外線の反射率は高くなる傾向

ストレスや病害により弱っている場合

  • 近赤外線反射特性に差が生じる場合がある

グリーンスキャンでは、
可視光と近赤外線の反射差を用いて
植生指数(NDVI等)を算出し、植生活性度の傾向を可視化

オルソ画像

オルソ画像

植生活性解析(NDVI)

植生活性解析(NDVI)

オルソ画像

オルソ画像

植生活性解析(NDVI)

植生活性解析(NDVI)

NDVI(正規化植生指数)とは

NDVI(正規化植生指数)とは、植物の「元気さ(活性度)」を数値化した指標です。
植物は健康な状態ほど近赤外線を強く反射し、一方で赤色光は光合成のために吸収するという特性があります。
NDVIはこの性質を利用して、植生の状態を数値として比較できるようにしたものです。
一般的にNDVIの値は -1〜1 の範囲で表され、数値が1に近いほど植生が健全で活性度が高く、0に近いほど衰弱やストレス状態の可能性を示します。
また、解析画像上では、活性度の高い箇所は緑、低い箇所は赤といった形で、視覚的にも分かりやすく表示することが可能です。

NDVIは一般に以下の式で表されます。
(近赤外線 − 赤色)÷(近赤外線 + 赤色)
この値を園内全体で比較することで、相対的な状態差を抽出します。

DISCOVER

グリーンスキャンでは、植生指数の解析により、樹木の活性状態の違いを広域的に把握することができます。
これにより、例えば次のような状態差を確認することが可能です。

分かることの例

樹木の活性度のばらつき

局所的な衰弱傾向

水分ストレスの可能性

根腐れ等による活性低下の可能性

経年変化の傾向

松枯れ等の病害による衰弱の可能性(例:マツ類)

例えば松枯れでは、水分輸送機能の低下に伴い光合成活動が低下し、近赤外線反射特性の変化として周囲との相対差が現れる場合があります。
グリーンスキャンでは、このような活性度の変化を植生指数として可視化することで、状態差のある箇所を広域的に把握することが可能になります。
本手法は、樹木診断そのものを行うものではなく、現地確認や専門診断の必要性を検討するための補助情報として活用することを想定しています。
※マツなどの針葉樹についても、相対評価により状態差の把握が可能です。

そこで、Tri-Vision

そこで、Tri-Vision

三つの観測視点により、広域・状態差・内部情報を統合し管理判断を支える情報基盤を構築します。

観測方法

METHOD


観測方法

観測は、対象区域上空を一定高度で飛行し、マルチスペクトル画像を取得することで実施します。
取得した画像は位置情報と統合され、園内全体の状態分布マップとして再構成されます。
短時間で広範囲を均一条件下で観測できる点が特徴です。

解析の考え方(相対評価)

WAY OF THINKING


解析の考え方

グリーンスキャンで重要なのは、数値の絶対値ではなく、「同一条件下での相対的な差」です。
この差をもとに、周囲と比較して活性が低い箇所や、弱っている可能性のある個体を抽出することができます。
つまり、

  • 園内のどこに状態の低下が見られるか
  • どの程度の差が生じているか

を把握することが目的となります。
本手法は健康状態を診断・断定するものではなく、確認が必要な対象を効率的に抽出するためのスクリーニング手法です。

UTILIZATION

解析結果の活用用途

解析結果の活用用途

解析結果は以下の用途に活用できます。

  • 精密診断対象の選定
  • 重点管理区域の設定
  • 巡回優先順位の整理
  • 経年変化の比較
  • 維持管理計画の基礎資料

広域俯瞰によるスクリーニングと専門確認を組み合わせることで、合理的な植生管理体制の構築に寄与します。

OPTION

スクリーニングから精密診断まで

グリーンスキャンにより抽出された要確認候補については、必要に応じて樹木医による精密診断と連携可能です。
観測結果を基に専門確認を一体的に調整できるため、管理者側の事務的負担を増やすことなく対応できます。これにより、

  • 広域スクリーニング
  • 重点抽出
  • 専門診断

という段階的確認体制を構築できます。
※樹木医連携はオプション対応です。

CONDITIONS

グリーンスキャンの結果は、観測条件の影響を受けます。

天候

日射条件

季節

樹種特性

植生活性の評価は葉の反射特性を利用するため、落葉期には解析ができず、葉が展開している時期の観測が前提となります。
また、常緑樹についても葉の生理活動が活発な時期の方が状態差が表れやすいため、夏季など葉の活性が高い時期の観測が適しています。
また、植生指数は植物の活性度を示す指標であり、病害の種類や内部構造を直接判定するものではありません。
最終的な評価には専門職による確認が必要です。

VALID

適用が有効な場面

以下のように面的把握が必要な管理業務に適しています。

  • 広域公園の状態把握
  • 定期モニタリング
  • 経年比較
  • 重点管理区域抽出

RESULTS

管理判断に直接利用できる形式で提供します。